●ご紹介      
  加来保先生は、私が中学3年時に美術教諭としてご指導いただきました。先生の過分な誉め言葉に調子にのってしまったのが今の仕事に足を踏み入れるきっかけ。大学受験の実技の勉強も当初、先生の手ほどきを受けました。先生は抽象絵画が主体ですが、当時の強烈な思い出ですが、私の隣で先生が描かれるデッサンを拝見し、そのデッサン力の確かさ、実力の程に舌を巻きました。最近描かれる水彩の風景画も素晴らしいタッチです。   先生の抽象画の作品は一貫して人間社会に対する深い考察を、高い感性で昇華し創られたフォルムを美しい色彩と独特のマチエールで表現されています。最近のシリーズは工業文明の変遷、そこに息づく空間を社会的、あるいはヒューマンな視点でとらえて描かれていると感じます。 先生の長年にわたるキャリアの中より今回は1974年から1999年の間に制作された作品の一部をご紹介させていただきます。  
 
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自分自身を見つめる。

内なる自分の根源は

渾沌とした地球の始まりにも似る。

地球は水の惑星という…

すべての生命の源をたどれば水に回帰する。

   
   
 
 

太陽の光はあくまで直線である。

いままさに沈まんとする光の響宴、

大気のリズムの変化は微妙な屈折をもたらす。

イエローからオレンジ、マゼンタ、パープルが

瀬戸際でにじみだす光の極限。

 

     
 
   
 

人類の進化は鉄の歴史とともにあった。

この鉄の繁栄もいつしか終焉を迎えるのか…

支配と破壊をくり返してきた文明の豊かさの

なんと空ろに映ることか。

あいも変わらぬ人間の

貧しい魂の証なのかもしれない。

   
   
 
 
  ●画歴  
  ・1926/福岡県生まれ  
  ・1948/東北大学卒 ・1970/九州沖縄選抜展
  ・1950〜独立展 ・1973/可能性の意志展
  ・1956/独立賞

・1974/行動美術会友賞、行動美術会員

  ・1958/全九州アンデパンダン展(九州派共催) ・1978/第1回絵画ビエンナーレ秀作賞(北九州市立美術館)
  ・1959〜北九州美術家連盟結成 ・1979〜北九州洋画展
  ・1963〜64/朝日賞コンクール ・1980/アジア現代美術展(福岡市美術館)
  ・1963/行動展 ・1981/現代抽象展(東京)
  ・1967〜九州制作会議展 ・1980〜81/ART.KOBE展
  ・1970/行動美術奨励賞 ・2000/加来保展(北九州市立美術館)